■故人の損害賠償請求金は遺産分割の対象
損害賠償請求金とは、財産や身体などに被害を受けた際に加害者に対して損害を補填するために請求できる金銭です。この損害賠償請求権も相続財産に含まれるため、被害者が亡くなった場合、相続人が請求・相続することが可能です。
通常、法定相続分に従って遺産分割されますが、相続人間で話し合いをして分配の割合を決めることもできます。
■損害賠償請求権が発生する例
たとえば、交通事故で被害者が亡くなった場合、死亡慰謝料の請求権が発生します。被害者本人が慰謝料請求を行使できないため、相続人である被害者の遺族がその請求権を引き継ぎます。
また、逆に被相続人が交通事故の加害者等であった場合は、被害者や遺族への損害賠償を支払う義務も相続人が相続することになります。相続財産は、預貯金や不動産、株式などの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も対象に含まれます。損害賠償債務を引き継ぎたくない場合は、相続放棄も検討しましょう。
■遺産分割の流れ
遺産分割を行う際の一般的な流れは以下の通りです。
相続人の確認と遺言の有無を確認します。
交通事故慰謝料や損害賠償金を法定相続分に従って分割するのか、または遺言や遺産分割協議に従って分割するのか決定します。
事故後、四十九日が過ぎたあたりで加害者側と示談交渉し、慰謝料や損害賠償金の支払いを受けます。その後、相続人間で遺産分割を行います。
遺産分割の方法は、示談交渉後に決めることも可能です。ただし、遺産分割は交通事故慰謝料だけでなくその他の財産の分割にも関わってくるため、早めに決めたほうが良いでしょう。
■税金について
損害賠償金や慰謝料については税金がかからないケースが一般的ですが、詳細な税務判断や計算が必要な場合もあります。弊社では税務相談はお受けしておりませんが、必要に応じて提携の税理士をご紹介することが可能です。税務面も含めた相続の準備を進めたい場合には、どうぞお気軽にお問い合わせください。